全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦は14日、55周の決勝レースが行われ、予選6番手からスタートしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が優勝。第2戦オートポリスに続き連勝を飾った。
薄い日射しが差し、ドライコンディションで迎えたスーパーフォーミュラ第3戦富士の決勝レース。迎えたスタートでは、ポールポジションのロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)がスタートを決め、その後方に3番手から飛び出したジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がつける。さらに、中嶋一貴、アンドレ・ロッテラーのPETRONAS TOM'S勢が好スタート。3〜4番手に浮上した。
一方、後方では1コーナーで嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)とリチャード・ブラッドレー(SGC by KCMG)がクラッシュ。2台は絡まるような形で1コーナーのコース上にストップしてしまったため、セーフティカーが導入される。さらにこの間、2番手となっていたオリベイラにジャンプスタートのペナルティが科された。一方、Lenovo TEAM IMPULはこのSCの間に松田次生をピットに戻し、給油とタイヤ交換を行った。
トップのデュバルは、5周目のSC明けから再びリードを築き始めるが、その後方ではオリベイラのペナルティ消化により2番手となった一貴とロッテラーによるハイレベルなバトルが展開される。この2台は延々バトルを続けるが、19周目についにロッテラーが一貴をパス。レース中終始アンダーステアに苦しんだ一貴はさらに、ピタリと後ろにつけていた平手晃平(P.MU/cerumo・INGING)にもかわされてしまった。
各車のルーティンワークは30周前後に行われることになったが、PETRONAS TOM'Sはロッテラー、一貴ともに得意のピットワークで素早く2台を送り出し、ロッテラーはデュバルとの差を詰めることに成功。また、一貴も再び平手の前に出た。
上位陣がルーティン作業を終えると、トップに立っていたのはSC中にピットに入っていた松田。これをデュバル、ロッテラー、一貴、平手、山本尚貴(TEAM無限)が追う展開となる。このうち、一貴はふたたび平手のプレッシャーにさらされることになり、43周目に平手が一貴をパス。さらに、バトルのうちに山本も一気に一貴をパスしていった。
一方、ヒタヒタと首位松田とのギャップを詰め始めていたデュバルだったが、なんとピットイン時にタイヤを平置きできなかったため、ピット作業違反のドライブスルーペナルティが科されてしまう。これでデュバルはポジションを落とし、2番手にはロッテラー、3番手に平手へと変化した。
首位の次生は3周目から使っているタイヤで懸命に走行を続けるが、ハイペースで迫ったロッテラーが一気に次生の後方に。51周目のメインストレートでロッテラーが一気に襲いかかると、次生は為すすべ無し。これでロッテラーが首位に浮上した。
ロッテラーは次生との一気に広げ、盤石のトップチェッカー! これで第2戦オートポリスに続き2連勝を飾った。2番手には次生がつけていたが、なんとチェッカーまで残り2周というところで痛恨のストップ! これで2位は平手、3位は山本という結果に。P.MU/cerumo・INGINGにとってはひさびさの表彰台に。また、山本は2戦連続の表彰台獲得となっている。ペナルティ消化後、驚異的な追い上げで前を次々とオーバーテイクしたデュバルは4位。5位は伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)となった。